東葛飾ウォッチ記録

東葛飾の放射能関係の観察記録。

松戸市全図

松戸市は、公共施設の放射能定点観測を行っている。すでに終了したものもあるようだが、次は松戸市のサイトから2014/12/12に取り出したデータをグラフ化している。どこも除染が行われているようでラインが不連続になっている。特に高いのは新松戸西小学校。2011/6/の時点で地上高5cmで0.5μSv/hを越え、地上高1mで0.35μSv/hを越えていた。
21世紀の森と広場も高かったが2014/10にはどの高さでも0.1μSv/hを下回っている。特に低いのは東松戸の駅に近い中内公園。近隣公園だが、市内の公園では最も低いほうの一つだろう。屋内で0.18μSv/hもあるのなら、この公園でハンモックと寝袋を持ち込んで休みたいと思えるほどだ。

定点観測地点の放射線量測定結果

新松戸西小学校と中内公園のグラフ。ともに除染によりストンと下がっていることが分かる。

新松戸西小学校は、新松戸駅と江戸川の中間辺りに位置する。

 

 

東松戸駅に近い中内公園の様子

 

新松戸西小学校の測定データについて、地上高5cmの測定値で近似曲線を描くがうまくフィットしない。

次は、2011/3/21にセシウム134が25%、同137が25%、ヨウ素131が50%あったと仮定して、その理論的な減衰曲線が、測定値が安定していた2011/8から2011/9の値を通るとした場合の前後の推定値を計算したもの。

除染の影響だけではない。100日目辺りまで急な角度で低下している。半減期の違う他の核種の影響が出ているのではないか。

セシウム、ヨウ素以外の核種で半減期がヨウ素より半減期が長いものを探すと、ストロンチウム89半減期50.6日、ルテニウム103半減期39.3日、ニオブ95半減期35日、テルル129m半減期30.6日、セリウム141半減期32.5日。放出量か多くてガンマ線を出すものとなればテルル129mか。

テルル129mを加えウエイトをいろいろ変えてみる。セシウム134、セシウム137、ヨウ素131を各1、テルル129mを4とすると当てはまりが良いようだ。実測値と重ねると、何と高いほうはぴたり一致だ。下のほうは、除染活動などの手が入っているから理論値からかい離するのは当然だ。

この推計値で累積被曝量を計算する。7.81ミリシーベルト。以前に試算した各地の累積被曝量よりは少し多い程度だ。2011/3/21の線量率が1μSv/hとなっているが、柏では3/21に0.8μSv/hを観測しており、異常な値ではない。

この方法なら、MPの近くでなくても自治体が測定した空間線量率で累積被曝量を推計できる。

なお、山武市の企業が測定した空間線量率のグラフは、放射性物質の追加的降下などによってやはりずれが生じているが、2011年中はあまりかく乱要因がないように見える。

松戸市では、一つの小学校で3人の白血病発症児童が出たとの情報があり、市当局は健康被害を認識している。だが、それを公にしたり父兄に警戒を呼びかけたりすれば、大混乱になることは見えている。市当局が危険を告知したにもかかわらず避難しなかった人でなしの親とは誰も言われたくない。

松戸市は、市当局、議会、地元有力者みんなグルだ。逃げられる人は早い時期に逃げたし、避難は今も続いているだろう。市民派の議員が当選して、市当局がかたくなになっていることが議会答弁からひしひしと伝わってくる。

市民の働きかけで希望者に甲状腺検査を受けさせる動きはあるようだが、そんなことで問題は解決できない。白血病発症の前に甲状腺が悪化するわけではない。公共施設や通学路の線量率は下がっているかも知れないが、読者の教えてくれた屋内線量率は0.18μSv/h。放射線管理区域の基準を超えている。

ただ一つ付け加えておくと、松戸市内でも土壌のセシウム濃度は大きなバラツキがある。次の図は常総生協による土壌調査結果のマップだが、これでも平米2万ベクレル程度のところもある。以前記事にも書いたが、GMサーベイメーターを担いで、東松戸駅の北西地域に調査に行ったことがあるが驚くほど低かった。上にあるように中内公園は除染前からそんなに高くなかったようで、事前調査の不足から低いところを選んでいた。

畑仕事をしていたおやじにタラの芽を売りつけられそうになったから2014年の春だ。そのおやじは元気そうだったから、近くを流れる川の内側斜面が立ち入り禁止となるほどの汚染でも畑の汚染は強くないのかも知れない。

だが、残念なことに全般的にはやはり高い。1.85万ベクレル/m2でも0.5μCiだ。筆者は平米3万ベクレルを少し下回る、空間線量率0.1μSv/h超の地域に住んでいるが、このような場所に子どもを住まわせるべきではないと考えている。

 

常総生協による土壌調査結果

関連記事

松戸市では近い将来脱出ラッシュが再来するだろう

東葛飾のある市は世界史に名を残す

ホームページトップへ

ブログトップへ